電話でのご予約・お問い合わせはTEL.042-511-6572

〒197-0823 東京都あきる野市野辺64-1
マンションエクセル第2-103



アセスメントの種類

1.知能検査
①WISC-Ⅳ、WPPSI-Ⅲ、WAIS-Ⅳ:ウェクスラー系の年齢別の知能検査で、児童期から成人期までを対象としており、心理的尺度の中でも世界的に普及してきている知能検査です。知能検査といっても、これまでの知的能力の判別という目的から、認知能力の発達特性から教育的支援や環境調整を積極的に考えることによって、自立的で社会参加を目指すことを目的とするように変化してきています。人間の知的発達面の理解、その経年的構造の変化を捉えようとするもので、教育委員会や学校では、特に5歳0カ月~16歳11カ月の子どもを対象にしたWISC-Ⅳを入級・転級判定に用いることが多く、個人内差を知ることができます。

➁田中ビネー知能検査V:我が国における代表的な知能検査の一つで、フランスのビネーが開発し発展させてきた知能検査を基に、日本での使用を目的として心理学者の田中寛一によって、1947年に出版された日本のビネー式知能検査の一種で、内容の改訂が進められてきた知能検査です。1954年、1970年、1987年と改定され、現行のものは2005年に田中ビネー知能検査Vとして出版されました。おもに子どもの発達状態や障害があるかどうかの判断材料として使われており、精神年齢、IQ(知能指数)、知能偏差値などによって測定されます。それ故、障害者手帳を取得する際に用いられることが多く、個人間差を見るために用いられます。

2.発達検査
①KABC-Ⅱ:認知処理能力だけでなく基礎的学力を個別式で測定できる日本初の心理・教育検査で、教育的または心理的な問題を抱える子どもにかかわりの深い、継次処理能力、同時処理能力、計画能力、学習能力、流動性推理や結晶性能力など幅広い能力を測定でき、その検査結果を教育的働きかけに結び付けて活用します。幼児や障害のある子どもでも知的活動を公平に測定でき、特に発達障害児のアセスメントに有効で、上述のWISC-Ⅳと組み合わせて使用することが多いようです。また、非言語性尺度が用意されており、難聴児や言語障害がある場合でも、妥当なアセスメントが可能となります。検査用具がカラフルで、子どもの興味が持続するように構成されています。
 旧版との大きな違いは、ルリア理論およびキャッテル‐ホーン‐キャロル理論という二つの最新の理論モデルに基づいて作成されており、検査結果を、異なった相補う観点から解釈することができます。また、認知尺度および習得尺度の充実・発展により、認知機能と習得度の関連性がより詳細に評価でき、発達障害児など障害児の指導に活用できます。対象年齢は、これまでは上限が12歳でしたが、新版では、上限が18歳まで延長されています。

➁新版K式発達検査:子どもの心身の発達の度合いを調べ、それを療育などの子どもの発達支援に役立てるための検査です。1951年に嶋津峯眞、生澤雅夫らによって、京都市児童院(1931年設立、現・京都市児童福祉センター)で開発されました。発達の遅れや偏りを多面的に評価するもので、検査の結果は発達障害の診断や療育などの場で活用されています。1980年に「新版K式発達検査」が刊行されたときの適用年齢は0歳~10歳でしたが、1983年の「新版K式発達検査増補版」では、12歳、13歳までに拡張され、さらに2001年に刊行された「新版K式発達検査2001」では成人までに拡張されました。このように、新版K式発達検査は改訂を重ねながら、徐々に適用年齢が拡張されてきています。新版K式発達検査では、子どもの発達の水準や偏りを「姿勢・運動」(P-M)、「認知・適応」(C-A)、「言語・社会」(L-S)の3領域から評価します。なお、3歳以上では「認知・適応」面、「言語・社会」面に重点を置いています。また、乳幼児向けの検査用具には、振ると音が鳴るガラガラや積木、ミニカーといった乳幼児にとってなじみのある材料が使われています。このような検査用具を使うことによって、子どもの自然な行動が観察しやすい検査となっています。検査者は検査結果だけでなく、言語反応、感情、動作、情緒などの反応も記録し、総合的に判断します。

③DTVPフロスティッグ視知覚発達検査:本検査は、視知覚能力に障害のある子どもたちの発見とトレーニング、情緒的問題の予防、視知覚能力に起因する学業不振に苦しむ子どもたちの臨床的評価と支援を目的としています。対象年齢は、4歳0カ月〜7歳11カ月で、保育所、幼稚園、小学校低学年の子どもの視知覚上の問題点を発見し、適切な訓練を行うための検査です。①視覚と運動の協応、➁図形と素地、③形の恒常性、④空間における位置、⑤空間関係、といった5つの視知覚技能を測定します。問題行動、ろう、難聴、脳性まひ、知的発達の遅れ、情緒障害、LD(学力障害)などのある子どもにも実施できます。個別、集団のいずれの方法でも行えます。

◎その他:LDIR、PVT-R絵画語い発達検査、J.COSS 日本語理解テスト、等

3.認知検査
①PARS-TR:自閉スペクトラム症(ASD)の発達・行動症状について母親(母親から情報が得がたい場合は他の主養育者)に面接し、その存否と程度を評定する57 項目からなる検査です。PARS-TR 得点から、対象児者の適応困難の背景にASDの特性が存在している可能性を把握することができます。幼児期および現在の行動特徴をASDの発達・行動症状と症状に影響する環境要因の観点から把握し、基本的な困難性に加えて支援ニーズと支援の手がかりが把握できます。また、半構造化面接により発達・行動症状を把握することを通じて養育者の対象児者に対する理解を深めることができます。なお、本検査の判定結果は医学的診断に代わるものではありません。ASDの確定診断は、あくまでも専門医によってなされる必要があります。

➁VINELAND-Ⅱ:世界的によく使われている標準化された適応行動の評価尺度です。対象年齢は、0歳から92歳の幅広い年齢帯で、同年齢の一般の人の適応行動をもとに、発達障害や知的障害、あるいは精神障害の人たちの適応行動の水準を客観的に数値化できるのが大きな特徴です。比較的簡単な研修で心理や福祉の専門家が実施でき、支援の必要な行動を評価者の主観に頼りすぎることなく、客観的な形で示すことができます。実際、支援が必要な状況にある人の支援計画を立案するうえでは、どういう症状があるかということ以上に、現時点での適応行動がどうなのかを把握することが重要です。現在できている適応行動に基づくことで、支援の質と量を判断することが可能になるのです。
コミュニケーション(受容言語/表出言語/読み書き)、日常生活スキル(身辺自立/家事/地域生活)、社会性(対人関係/遊びと余暇/コーピングスキル)、運動スキル(粗大運動/微細運動)という4つの適応行動領域と不適応行動領域(不適応行動指標/不適応行動重要事項)と下位領域から構成されています。適応行動の発達水準を幅広く捉え、支援計画作成に役立つ検査です。標準得点で相対的な評価を行うとともに、「強み(S)と弱み(W)」「対比較」等で個人内差を把握できます。検査者が対象者の様子をよく知っている回答者(保護者や介護者など)に半構造化面接を行います。対象者の年齢ごとに開始項目があり、また上限・下限を設定することにより、実施時間の短縮化が図られています。

③ADOS-2日本語版:検査用具や質問項目を用いて、自閉症スペクトラム障害(ASD)の評価に関連する行動を観察するアセスメントです。モジュールは全5種類で、年齢・発達水準に対応した評価が可能です。対象児は、発話のない乳幼児から、知的な遅れのない高機能のASD成人までで、幅広く対応しています。5種類のモジュールから、対象者の①表出性言語水準、②生活年齢、③興味・能力にあったもの、を1つ選択し、専用のプロトコル冊子に従って課題の実施や評定、結果の解釈を行います。この検査で、①行動の特徴的な側面を、A.言語と意思伝達、B.相互的対人関係、C.遊び/想像力、D.常同行動と限定的興味、E.他の異常行動、といった領域ごとに整理して評価できます。②DSMの診断モデルに基づく判定が行えます。カットオフ値との比較により判定しますが、モジュール1~4は「ADOS-2 診断分類」、乳幼児モジュールは「ADOS-2 懸念の程度」の判定が可能です。③自閉症スペクトラム症状の程度の目安を知ることができます。「モジュール1または2を実施した2~14歳」、および「モジュール3を実施した2~16歳の対象者」には、「ADOS-2比較得点」が用意されていて、ADOS-2で評価される自閉症スペクトラム症状の程度を、同じ生活年齢・言語水準のASD児と比較して表す指標となります。また、症状の経時的変化の解釈にも活用できます。
 この検査は、ASDの他の評価手段や情報とあわせて活用することで、包括的かつ精度の高い臨床診断が可能になります。また、乳幼児モジュールは、将来的にASD診断につながりうるリスクを評価し、継続的な経過観察の必要性を判定するのに有用です。その他、対象者の行動特徴、強みや困難を詳細に把握し、効果的な支援・介入計画に役立てることができます。また、現時点で観察される自閉症スペクトラム症状の重症度、あるいは症状の経時的変化の指標として活用することができます。

4.心理検査
①箱庭療法:1929年、M.ローエンフェルトによって創始され、D.カルフが発展させた心理療法の一技法です。65年に河合隼雄が日本に紹介して以来、全国に広がり発展しました。内寸72cm×57cm×7cmの箱に砂を入れ、人・動植物・怪獣・乗物・建築物などのミニチュアを対象児に与え、自由に遊ばせます。作り出された箱庭には、制作者の考えや感情など内面的なものが具象的・直接的に表現されているとし、また箱庭を継続してつくることによって、それらが象徴的に整理、統合されると考えます。その過程を体験することで、制作者自身の自己治癒力によって心理的な葛藤を解決することができるといわれています。当初はおもに情緒障害児童の治療に用いられていましたが、現在では重篤な事例や成人にも適用範囲が拡大しています。

➁ロールシャッハ・テスト:より曖昧な図形に対する言語反応を分析の対象とする投影法による人格検査の代表的なもので、20世紀初め、スイスの精神病医ロールシャッハRorschach,H.[1884~1922]が考えだしたテストで、1921年に公刊されました。左右対称のインクのしみが何に見えるか、という反応をもとに被験者の人格や精神内部のコンプレックスを見出そうとする検査です。
ロールシャッハが子どものころ、紙にインクを垂らし、その紙を二つに折りたたんで左右対称の図形にし、その図形が何に見えるのか思いつくものを言ってみるという遊びが流行っていたようです。例えば1896年に出版された『Gobolinks or Shadow Pictures』という絵本には、左右対称のインクのシミの作り方や遊び方、実際に作られた絵と解釈の例が掲載されていますが、ロールシャッハ・テストもこの絵本と同じように、左右対称のインクのシミが描かれた10枚の図版で構成されています。ロールシャッハ・テストにはさまざまな分析システムが考案されています。アメリカでは、1930年代から40年代にかけて、多くの研究者が、それぞれロールシャッハ検査の標準化とシステム化をめざし、日本では、片口安史がクロッパーの手法に基づいて開発した片口法をはじめ、阪大法・名大法・慶大法などが開発され、それぞれ独自の地位を保っています。1990年代に入ると、エクスナーExner,J.,Jr.が科学的なロールシャッハ・テストの標準化をめざし、包括システムcomprehensive systemやエクスナー法Exner scoring systemとよばれるロールシャッハ・テストの実施・解釈手法を提唱しました。この手法は世界中に広がり、ロールシャッハ・テストの標準的方法として認められるに至っています。

③バウムテスト:Aバウムとはドイツ語で木を意味し、その名のとおり、回答者に4判の白い用紙と鉛筆のみを渡し、樹木を描くことを求める検査で、現在でも日本でよく使用される検査です。この検査は、言語的な答えを得るのではなく、絵画そのものを回答とする投映法検査の代表的なものの一つです。画面のどこの位置にどのような樹木を描くかという空間表象から対象者の心理面を読み解きます。コッホKoch,K.は、スイスで用いられていたこの検査を研究、体系化し、1949年に『Der Baumtest』、1952年には英語版を出版しました。その後、広く知られるようになりましたが、日本では、1950年代以降にバウムテストを用いた研究が発表されるようになり、例えば、深田尚彦(1958,1959)は、幼児や児童を対象に樹木画を描かせ、その発達的変化を検討しています。また、描画された木の形態的側面については、一谷彊と津田浩一が作成したバウムテスト整理表などを参考にします。


総合教育相談所あきる野総合教育相談所あきる野

〒197-0823
東京都あきる野市野辺64-1
マンションエクセル第2-103
TEL 042-511-6572
FAX 042-511-9859